こんにちは。らっこです。
5月に世界卓球選手権(個人戦)が南アフリカのダーバンで開催されます。
気になるのが各国の代表選手が誰になるのかというところですが、注目の中国代表の代表選出方法が決定しました。
日本の場合はすでに代表選手が決定していますが、中国は2023/2/18(土)から第1回トライアル大会がスタート。
(日本代表について→『2023世界卓球選手権の日本代表選手・選考基準などまとめ』)
それでは、どのように中国代表が選ばれるのかを報じたニュースをまとめていきます。
→中国・世界卓球代表 第1回トライアル大会の概要や出場者の情報はこちら
→中国・世界卓球代表 第1回トライアル大会の試合結果・トーナメント表はこちら
→中国・世界卓球代表 第2回トライアル大会の概要や出場者の情報はこちら
→中国・世界卓球代表 第2回トライアル大会の試合結果・トーナメント表はこちら
目次
世界卓球選手権の中国代表選手一覧&選出理由(4/3更新)
2023/4/3に2023世界卓球選手権の中国代表メンバーが正式発表されましたので、選手の一覧と選出理由をまとめました。
→原文はこちら『德班世乒赛中国队参赛名单公布』
男子シングルス(5枠)
- 馬龍(第1回トライアル大会優勝)
- 樊振東(シンガポールスマッシュ2023優勝)
- 王楚欽(第2回トライアル大会優勝)
- 梁靖崑(コーチ陣が選出)
- 林高遠(コーチ陣が選出)
【選考理由:男子チームコーチ王皓のコメント】
馬龍・樊振東・王楚欽は選考対象となる大会で優勝して代表決定。
残りの2枠についてはコーチングスタッフが議論し、総合的な評価と考察の上決定した。
梁靖崑・林高遠は常に世界ランキング上位におり、最近のパフォーマンス・総合的な能力・対外成績が非常に良い。
女子シングルス(5枠)
- 孫穎莎(第1回トライアル大会優勝)
- 陳幸同(第2回トライアル大会優勝)
- 陳夢(コーチ陣が選出)
- 王曼昱(コーチ陣が選出)
- 王艺迪(コーチ陣が選出)
【選考理由:女子チームコーチ馬琳のコメント】
孫穎莎・陳幸同は選考対象となる大会で優勝して代表決定。
陳夢は東京2020オリンピックのチャンピオンであり、次のオリンピックに向けた動きの中心にいる。第1回トライアル大会では怪我のなか出場し、ベテランの意気込みをみせた。
王曼昱は東京五輪団体優勝メンバーで、前回の世界卓球(個人戦)チャンピオン。彼女の総合力・対外成績はコーチの誰もが認めている。
王艺迪は世界ランキング4位で、対外成績が非常に良い。昨年のアジアカップ2022では日本の伊藤美誠・早田ひなを破って優勝したことを高く評価。3月のスターコンテンダー ゴア2023でも優勝している。
男子ダブルス(2枠)
- 樊振東/王楚欽(コーチ陣が選出)
- 林高遠/林詩棟(コーチ陣が選出)
【選考理由:男子チーム監督王皓のコメント】
樊振東/王楚欽ペアは3月のシンガポールスマッシュ2023で優勝したことが決め手になった。
林高遠は左利きのプレイヤーということでダブルスで非常に重要な選手。
林詩棟はパリ五輪やその次のオリンピックを見据えた男子チームの構成案と、最近の活躍をみた上で選出した。
女子ダブルス(2枠)
- 孫穎莎/王曼昱(コーチ陣が選出)
- 陳夢/王艺迪(コーチ陣が選出)
【選考理由:女子チームコーチ馬琳のコメント】
孫穎莎/王曼昱は前回の世界卓球(個人戦)とシンガポールスマッシュ2023で優勝。年齢も近く、今後の女子チームの強力な柱となる存在。
陳夢/王艺迪はペア歴が短いものの非常にレベルが高い。シンガポールスマッシュ2023の準決勝では日本の早田ひな/伊藤美誠ペアを破って決勝に進出した。
混合ダブルス(2枠)
- 王楚欽/孫穎莎(第2回トライアル大会優勝、第1回優勝ペアとの試合に勝利)
- 林詩棟/蒯曼(コーチ陣が選出)
【選考理由:チームリーダーのコメント】
王楚欽/孫穎莎は選考対象となる大会で優勝して代表決定。
林詩棟/蒯曼は若い年齢のペアだが、王楚欽/孫穎莎を除けば中国代表チームのなかでトップクラスといえる実力をもっている。WTTシリーズでは8回中7回優勝しており成績も安定。パリ五輪・ロサンゼルス五輪を考えると、年齢・実力共に非常にバランスの良いペア。
アジア予選で代表権を獲得した選手も、改めて国内大会へ参加
中国卓球協会は『2023世界卓球選手権 アジア大陸予選』でシングルス男女各5名・ダブルス各2ペアの代表権を獲得済です。
アジア大陸予選に出場した選手
男子:樊振東、馬龍、王楚欽、梁靖崑、向鵬
女子:孫穎莎、陳夢、王曼昱、王芸迪、陳幸同
男子ダブルス:樊振東/王楚欽、馬龍/袁励岑
女子ダブルス:孫穎莎/王曼昱、陳夢/王芸迪
混合ダブルス:王楚欽/孫穎莎、林高遠/王曼昱
しかし、アジア予選で戦った選手がそのまま代表権を得るわけではないようです。
実際のニュース記事をチェックしてみましょう。
→原文はこちら『乒协宣布世乒赛选拔惹争议!马龙樊振东到手名额无效,刘国梁被批』
ざっくり内容をまとめると、
「あくまでも中国卓球協会として出場枠を確保。代表は改めて選考する」という方針を決定。
アジア予選に出場した世界ランキング1位の樊振東や2位の馬龍は代表に決定すると思われていましたが、この発表により多くのファンが不満を持っています。
中国卓球協会としては将来のオリンピック・世界卓球にむけて若手選手の育成にも力をいれていきたいため、幅広い選手にチャンスを与えることにしたようです。
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【2023世界卓球選手権 アジア大陸予選:結果速報】試合予定・トーナメント表・アーカイブ動画情報あり
シングルス代表選考では2回の国内トライアル大会を実施
では、実際にどのような選考が行われるのかニュース記事をチェックしてみましょう。
中国メディアの記事は中国語なので、簡単に日本語でまとめておきます。
→原文はこちら『世乒赛国内选拔赛即将开打!中国女乒13人参赛,3规则与日乒不同』『国乒直通赛参赛名单』
世界卓球選手権の国内トライアルがスタート!
2023/5/20~28までの9日間に渡って、南アフリカのダーバンで世界卓球選手権大会(個人戦)が開催予定です。
シングルス戦では男女各5名の出場枠を確保しており、まもなく『第1回トライアル大会』が始まります。
中国のシングルス代表選考方法はこちら。
- 国内トライアル大会(全2回)を実施:第1回 2023/2/18~23、第2回 2023/3/26~30
- 各回の優勝者が代表権を獲得:第1回・第2回のシングルス優勝者男女各2名が世界卓球代表
- シンガポールスマッシュ優勝者が代表権を獲得:3/7~3/19の『シンガポールスマッシュ 2023』優勝者は世界卓球代表
- 残りの代表枠:全体的な状況をみてコーチングスタッフが柔軟に選出
第1回国内トライアル大会への参加資格
2023年第5週のITTF世界ランキングに基づき、全国卓球選手上位100位以内の選手がトライアルに参加できる。
参加資格がある選手はこちら。
【男子シングルス16名】
樊振東、馬龍、王楚欽、梁靖崑、林高遠、向鵬、袁励岑、林詩棟、周啓豪、梁儼苧、劉丁碩、趙子豪、徐瑛彬、薛飛、陳垣宇、周愷、徐海東(第7週の世界ランキングにより追加)
※林詩棟は新型コロナウイルスにより欠場
※発熱により陳垣宇が2/18、向鵬と周愷が2/19に棄権、王楚欽が2/20に棄権
【女子シングルス14名】
孫穎莎、陳夢、王曼昱、王芸迪、陳幸同、范思琦、張瑞、銭天一、劉煒珊、蒯曼、何卓佳、陳熠、石洵瑤、韩菲兒(第7週の世界ランキングにより追加)
※怪我により銭天一が2/18に棄権
※発熱により王曼昱と張瑞が2/21に棄権
※怪我により陳夢が2/22の準決勝を棄権
(追記3/28)第2回国内トライアル大会への参加資格
原則として、2023年第11週のITTF世界ランキングに基づき、全国卓球選手上位100位以内の選手がトライアルに参加できる。
今回参加する選手一覧
【男子シングルス16名】
王楚欽、梁靖崑、林高遠、林詩棟、向鵬、袁励岑、周啓豪、梁延寧、徐瑛彬、劉丁碩、趙子豪、薛飛、陳垣宇、曹巍、徐海東、周愷
【女子シングルス14名】
陳夢、王曼昱、王芸迪、銭天一、陳幸同、張瑞、范思琦、劉煒珊、蒯曼、何卓佳、斉菲、吴洋晨、石洵瑤、韩菲兒、郭雨涵、王暁彤
中国女子と日本女子の代表選出方法の違いについて
中国女子卓球のライバルといえば日本女子卓球です。
どちらの国も代表選考を行いますが、それぞれの選考方法は違います。
中国のシングルス選考のポイントは大きく3点あります。
・世界ランキングを重視し、さらに対外戦績にも注目!
世界卓球選手権はオリンピックと同じく国際大会なので、「国際大会で活躍した選手」を選ぶことが重要です。
なぜなら「国内大会は得意だが、国際大会が苦手な選手」が出場すると本番で負ける可能性が高いからです。
対外戦績をアピールするためには国際大会でポイントを獲得し、世界ランキングを上げる必要があります。
そのため、コーチングスタッフは各選手を交互に国際大会に出場させ、ポイント獲得のチャンスを与えています。
・対外戦だけでなく国内戦でも勝てる実力が必要
世界ランキング上位選手のなかで、さらに選手を絞り込むために国内トライアル大会を実施します。
シングルス代表5枠のうち「国内トライアル優勝2枠」「中国選手も多いシンガポールスマッシュ優勝1枠」については、国内選手に勝つことが必須です。
つまり、国際大会にも強く国内選手にも強い選手でないと出場権を獲得できません。
・柔軟な選考方法を採用
今回、中国卓球協会は「全ての代表枠を選考会で決定」「全ての代表枠をコーチングスタッフが選出」というような方法は採用しませんでした。
「2枠を選考会、1枠を国際大会、2枠をコーチングスタッフが選出」という様々な方法を同時に取り入れています。
世界卓球選手権は中国卓球協会にとって負けられない戦いなので、柔軟に戦略を練る必要があります。
そのため、選考会選出の選手に絞るのではなく、「国際大会で勝てる選手」を加えて代表チームを構成できるような仕組みになっています。
このように、日本女子代表が国内選考会で5名全員を選出するよりも、中国のように「海外選手に強い選手」を状況によって追加できるほうが合理的でしょう。
混合ダブルスも2回の国内トライアル大会を実施
中国は『2023世界卓球選手権 アジア大陸予選』で混合ダブルス2ペアの代表権を獲得済ですが、シングルスと同じく改めて代表選考が行われます。
しかも、アジア大陸予選に出場した林高遠/王曼昱はペアを解消し、それぞれ新たなペアで出場するようです。
中国メディアの記事は中国語なので、簡単に日本語でまとめておきます。
→原文はこちら『马龙陈梦搭档混双』『祝贺!国乒直通赛混双16强诞生,预选赛结束,11对组合惨遭淘汰』『官宣!德班世乒赛选拔赛赛程出炉,孙颖莎一天三赛,混双压力最大』
国内トライアル大会を2回実施し、どちらかの優勝ペアが代表権獲得
中国の混合ダブルス代表選考方法がこちら。
- 国内トライアル大会(全2回)を実施:第1回 2023/2/18~23、第2回 未定
- 優勝ペアのうち1ペアが代表権を獲得:第1回・第2回の優勝ペアを比較して、どちらかのペアを代表に決定。
- 残りの代表枠:全体的な状況をみてコーチングスタッフが柔軟に選出
第1回国内トライアル大会への参加資格
混合ダブルスは予選・本戦の2部制で開催。
予選を勝ち抜いた5ペア、本戦(2/18~)から出場する11ペアの計16ペアが出場します。
【本戦から出場する16ペア】
王楚欽/孫穎莎、樊振東/王曼昱、馬龍/陳夢、林高遠/陳幸同、梁靖崑/銭天一、袁励岑/王艺迪、于子洋/孫銘陽、林詩棟/蒯曼、趙子豪/范思琦、梁延寧/何卓佳、魏世皓/王添艺、周愷/蒯曼(林高遠欠場によりペア変更)
※林詩棟は新型コロナウイルスにより欠場
※銭天一は怪我により2/18に棄権
※周愷は発熱により2/19に棄権
(追記3/28)第2回国内トライアル大会への参加資格
第1回国内トライアル大会の優勝・準優勝ペアと、2023年第11週のITTF世界ランキングに基づきペアを選出
【混合ダブルス16ペア】
林高遠/陳幸同、于子洋/孫銘陽、王楚欽/孫穎莎、梁靖崑//銭天一、趙子豪/范思琦、袁励岑/王艺迪、林詩棟/蒯曼、向鵬/劉煒珊、梁延寧/何卓佳、薛飛/張瑞、徐瑛彬/韩菲兒、曹巍/斉菲、徐海東/郭雨涵、严升/石洵瑤、劉夜泊/王添艺、熊梦阳/吴洋晨
中国チームは混合ダブルスに注力している
『東京2020オリンピック』で中国代表は混合ダブルスの金メダルを逃しました。
その後、中国代表チームはパリ五輪に向けて金メダルを獲得するために、特別チームを編成するなど力を入れています。
これまでの戦績をみると、『2021世界卓球選手権(個人戦)』で優勝し、定期的に組んでいる王楚欽/孫穎莎ペアが中国トップでしょう。
しかし、王楚欽/孫穎莎ペアを優先的に代表に選出することはせず、予選を含め27ペアを競わせる方針です。
樊振東/王曼昱ペアやダブルス巧者同士の林高遠/陳幸同ペア、2023年の国際試合で連勝している林詩棟/蒯曼ペアらがライバルになると思われます。
その一方で、馬龍/陳夢ペアは練習時間が短いため不安が残ります。
男女ダブルスは第1回トライアル大会で実施無し
中国は『2023世界卓球選手権 アジア大陸予選』で男女ダブルス各2ペアの代表権を獲得済ですが、2/18からの国内トライアル大会で実施されません。
中国メディアのニュース記事を探してみたのですが、見当たらずどのように選考するのか不明です。
第2回国内トライアル大会で実施されるかもしれませんし、中国卓球協会のコーチングスタッフで選出するのかもしれません。
まとめ:金メダルの可能性を少しでも上げるための選考方法
世界卓球選手権の中国代表選考を調べてみて分かったのは、「海外・国内のどちらでも対応できる選手を選出して必ず優勝する」という方針です。
中国の場合いつもこの考え方なんでしょうけど。
「全員を推薦で選ぶ」「全員を試合させて選ぶ」という平等さよりも、金メダルの可能性が少しでも高いメンバー構成にすることが重要。
トライアル大会で勝った選手よりも負けた選手の方が海外戦に有利だと判断されれば、負けた選手が代表に選出されるという可能性もあります。
また、トライアル大会は1発勝負で代表権を獲得するので、下位ランクの選手が代表の座を掴むかもしれません。
なんといっても、中国国内トップ選手同士の戦いは誰が勝ってもおかしくないので、どんな結果になるのか注目していきましょう。
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